雲雀

さて、続いて11日に渋谷で観た「ひばり」のこと。
3時間半の大作。結構前の方でいいんじゃね?と思ってたけど、劇場で席に座ってみてちょっとがっかり。中2階の席で、目の高さに手すりが……しかも、舞台のセンターが手すりで見えなくなる……
でも、まぁ微妙に体勢をずらしながらやり過ごしました。
ジャンヌダルクを描く作品だっていうんで、てっきり殺陣とかあって、戦ったりする派手な動きのある舞台だと思ってたんですが、全編、ジャンヌが異端かどうかという裁判のシーンでした。そこで、ジャンヌの生涯をダイジェストで異端審問官の前で演じてみせるという、ばふっと、そんな感じ。よって、戦いのシーンとか、そういうのはなかったです。
冒頭の演出や、客席(まぁ、1階席に限るんだけど)などを広く使った役者の動きは、観ていて「ほほー!」と飽きないものがありました。松たか子がね、客席を走り抜けるのよ。私が観た回は、客席での演技中にちょっとハプニングがあって、それはそれで楽しかったなー。客席を走り抜けるときに、役者のカツラが落ちてしまったんです。
松たか子は、よかったです。観る前から結構期待してたけど、期待どおりでした。また彼女の舞台を観てみたいって気にさせてくれた。
終演後、劇場を後にする客が口々に松の台詞量に驚き、「よく覚えたね、すごいね」って感嘆してたけど、私は観ててその台詞量の多さとか、大変さを感じさせない軽やかさが彼女にはあったと思います。確かに、後になって冷静に思い返してみると、すごい量の台詞だったと思う。でも、それでもこっちを飽きさせない、ほどよく変化の効いたやり方で演じていて、それが松たか子の成せる技なのか、蜷川演出の成せる技なのか、松も蜷川の初心者の私には計り知れないけれど、すごいなぁと、ただただ思います。
さすがに長くて、途中で集中力の限界を感じたけど、収穫のある時間でした。